2021年02月13日
【感染症委員会】これまでのホームの取り組み報告や、スタッフ自身のケアに関して話し合いました。(後編)
2021年1月19日、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)アズハイムを運営する株式会社アズパートナーズ(東京都千代田区)では、定例の「感染症委員会」がZoomを用いて行われました。前編のブログ(⇒前編のブログはこちら)に続き、委員会で話し合われた内容の一部をご紹介いたします。
感染症予防の弊害〜ケアスタッフの精神的ストレスに対して〜
感染症委員会では、感染予防についての最新情報を発信していますが、現在問題になっているのは、スタッフの抱える心の問題についての現状把握・対策についてです。
例えば…
◼️表には出さないが、長期間の感染症対策の中で緊張感が常にあるので、「コロナ疲れ」があるのではないかなと感じることがある。
◼️自分がというよりは、ご入居者に「不便」な生活を強いらせているのかなと感じることが多く、申し訳ないと思う気持ちが直接的な自分へのストレスに繋がることが多い。
印象的なのが、「ご入居者に生活上の不便を強いらせてしまっていることが申し訳ない」という気持ちが、直接的な自分へのストレス・ジレンマになっているという点でした。「スタッフ・ご入居者を守るために良かれと思って行っている感染予防が、ご入居者の当たり前の生活を支援できていないのではないか」と考えてしまうという構図で悩んでいるスタッフが多かったです。
いち看護師としてのアドバイス。「目に見えないストレスに気付く為には、自分の気持ちを自分で聴くことからはじめます。」
「しんどい」時は「しんどい」と声に出すこと。生活を自分なりに見直して自分に優しく、自分のパーソナルトレーナーとしてまずは生活を整えます。良くない行動としては、不安な時にワイドショーばかり見て過ごすとドツボにハマって一人では抜け出せなくなってしまうことがあります。
そうなる前に、正しく恐れて正しく対策を行い、健全な生活をすることが免疫力を高める一つの行動になります。無理をせず、1日大きな事故なく乗り越えられた時には、自分に100点満点を出してあげるように。一度振り返って考えてみましょう。
研修参加者の声
<看護スタッフ>
第一回目の緊急事態宣言が発令した時に、体調不良者が発生し(実際にはコロナウイルス罹患者ではありませんでしたが)新型コロナウイルス感染症対応を実施したことがありました。完全防備で日々のケアを行っていましたが、何度も心が折れそうになりました。でも、そんなときに耐えられたのは一緒に戦う仲間がいたからです。
当時はガウンを発注してもなかなか届かず、ごみ袋をテープで貼り簡易ガウンを作成し、そのガウンを着ながら戦っていました。本当に野戦病院のようでしたが、本社からも手作りガウンを送ってもらい、その際「アマビエ」の絵や応援コメントが書いてあったり、アズハイム全体に支えられているなと感じました。緊張感がありながらも、一致団結できると本当に戦えました。一つの船に乗っている船員=「ワンチーム」というイメージで一致団結して船を動かしていくと、感染予防に取り組む姿勢も変わってくるのではないかなと感じました。
<シニアホーム運営部GM>
正しく恐れて正しく対策を講じるという点では、冷静にデータを読み解く必要があります。
アズハイム全体を守るための具体策として、持ち運べるサイズの高品質な消毒液ボトルをスタッフ全員に配布し、プライベートでも使用してもらうようにしています。
実際に自分でも公共交通機関に乗った後や食事をする前など、こまめに使用していると(ミニボトルが1週間でなくなるくらい使用しましたが)手荒れも起きず、やはり消毒効果・皮膚保護剤の効果を感じました。
不特定多数の人が触るところと言うのは、意識して見ると山ほどあります。
全部が全部消毒できるわけではないので、やはり自分の手は自分でこまめに消毒してほしいと思います。
各自が、自分の身を守りながら、大切な人との時間を確保しストレスとも向き合いながら「感染予防行動」をしていくのが重要であると感じています。また、介護従事者・医療従事者で我々は構成されている中で、お友達・ご親族には「自分の職業」への理解・配慮という点で自ら話をしていくことも大切になってくるのかなと思っています。
また、いざ感染症が発生した時に、「読んでない・知らない・できない」ではなく、「読んでいる・知っている・できる」に自らすることで、「不安・恐怖」の大きさが変わってくると思いますので、スタッフには改めてガイドラインとなる「新型コロナウイルス感染症対応指針まとめ」を見て欲しいと心から思っています。日々の積み重ねにより、皆さんが抱えている不安要素の形と大きさが変わると思いますので、その物差しとしてガイドラインを活用してください。
研修担当者より
感染症委員会の委員長の皆さんには、各ホームの代表者として「自分がやらなきゃ誰がやる」という点で、プレッシャーを感じながら感染対策を日々行ってもらっています。
委員会の合言葉は、「明日は我が身・我がホーム」です。他ホームで起きたケースでも自分のホーム事として捉えて糧にすることとしています。他職種の皆さんやそしてご家族の皆さんにも「不便」な状況下ではありますが、感染予防については委員長の発信に対して耳を傾けて「参加型」の感染対策をお願いしたいと思います。