2019年06月14日
【事故・安全委員会】転倒事故の原因分析や防止策を考える方法を学びます。
2019年6月5日、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)アズハイムを運営する株式会社アズパートナーズ本社(東京都千代田区有楽町)にて、「事故・安全委員会」が開催され、各ホームの代表スタッフが集まりました。
ホーム内での介護事故を未然に防止し、安全かつ適切で質の高いケアを提供する体制を整備し、また、万が一事故が発生した場合は、最善の処置や対応を行いホーム全体で取組むことを目的としています。
転倒事故の原因分析に必要な、多角的視点を身につける。
例えば、転倒事故に関して、「防ぐべき事故」と「防げない事故」があるという認識を持つことが重要です。
事故が起きると、今後の事故をスタッフのその手で全て防ごう、という認識になりがちですが、「スタッフの対処には限界があるという自覚」を持つことが、実はとても大切なことです。
転倒事故は、3つの複合要因(ご入居者側の原因、スタッフ側の原因、環境による原因)で起こります。
万が一、事故が起きてしまった際には、この3つの複合要因を多角的に分析することが求められます。
転倒事故の原因分析・対策に役立つ「SHELLモデル」。
【S】Software=ソフトウェア(手順書、マニュアル、規則など)
【H】Hardware=ハードウェア(器具、設備、施設など)
【E】Environment=環境
【L】Live ware=人(当事者)
【L】Live ware=人(当事者以外の人々、スタッフや家族など)
このモデルを参考に、ご入居者に合ったシステムを作るという発想で仕組みや設備を見直し、確実に効果のある対策を検討します。
効果的な転倒防止策のための3つの視点を考える。
【未然防止策】
転倒事故の根本原因を探り、除去する。
【直前防止策】
職員の手で、直接転倒を防ぐこと。絶えず側について歩いている歩行介助中でも、20%しか転倒を防げないという統計が出ています。
【損害軽減策】
転倒そのものよりも、その結果「骨折」してしまったことが問題であるということの認識。
研修参加者の声
■「SHELL」を初めて知りました。ホームの安全委員会で徹底し全スタッフに徹底していきたい。
■1つの事故でこんなにもたくさんの「なぜ」が出てきてそこからSHELLに当てはめるまで深いなあと思いました。
■ホームのスタッフで普通救命講習を受けてもらうために実際に身につけておくことのメリットを説明し一人でも受講者を増やそうと思いました。
研修担当者の声
事故予防を検討する際、原因を3つの視点(環境・ご入居者・介護者)で考え、なぜなぜなぜ・・・と原因を掘り下げていくことで原因究明につながること、対策は「SHELL」を使用し検討していくことで様々な原因に対しての対応策を導きだせることを事例を通して確認しました。
ホームでの事故の再発防止の為には、原因を究明し除去できることが重要であり、除去できることで同じ事故が起きないことを理解し、一つの事故も丁寧にしっかりと分析、対策を立て対応していくことを学びました。
次回の本社での委員会までに、ホームで起きた事故をSHELLモデルにて検討し、その事例を持ち寄り委員会で検討することで、更に事故予防に向けての考え方や実践に取り組んでいきたいと考えています。