2017年11月17日
【AH練馬ガーデン】ラウンド研修 「発達と老化の理解」「老化に伴うこころの変化と日常生活(認知症の理解)」が行われました。
研修の冒頭、アズハイムの「シニアサービス理念」を振り返ります。
5つの誓いの中で重要なキーワード
「お客様第一主義」「精神的なサポート」「安心・安全な暮らし」「快適な住空間」「いつまでも自分らしい生活」
”このケアで良いのかな?”など日々迷った時にシニアサービス理念が判断基準になること、また今日の研修を受ける上でこの意識を高く持ち望んで欲しいというメッセージの基、2017年11月9日の介護付きホーム(介護付き有料老人ホーム)練馬ガーデンのラウンド研修はスタートしました。
発達段階・発達課題を学びます。その中でも私たち介護職が関わる高齢者の「老年期」に関してじっくり考えます。集団ケアではなく、個別ケアを実施するために、どんな心理状態に陥り易いかを理解します。「老年期」を迎えられたご入居者が自分の生きてきた人生を良かったと思えるように、精神的なサポートすることが(肯定的な聞き手になる)介護職には求められています。身体的支援の場としてではなく、”自分の人生の良き聞き相手との出会い”の場としての在り方が、私たちに求められる役割といえます。
正しい知識を持ち、偏見なくご入居者と関わる重要な要素を学びます。
「老化」や「高齢者」という言葉からイメージする人格をグループでディスカッションします。一般的には「頑固」「保守的」といったマイナスの人格がイメージされることがありますが、ここで認識してもらいたいことは「すべての高齢者にあてはまるわけではない」ということです。高齢者を高齢者であるという理由だけで差別をしていないか、固定観念や先入観を持って仕事をしていないかを確認するエイジレステストを行いました。
エイジズムとは年齢(高齢者)に対する偏見や差別のことを言います。高齢者は、若い人より家の中でケガをすることが多い。高齢者は年と取るにつれて信心深くなる。平均的高齢者にとって、新しいことを学ぶのは大変である。など30の設問に対して「〇×」の解答をそれぞれ出してみます。
「テストを通して高齢者に対して、先入観や認識の違いがあることに気付けた」「年齢やイメージで判断せず、このテスト結果を参考に実践していきます」(参加スタッフ)
認知症の理解を深めます。
認知症の基本的な症状は、脳の器質的変化による認知・記憶機能の障害です。自分のいる場所や時間が分からない、家族の顔、物の使い方が分からなくなり、日常生活や社会関係に支障をきたす障害も生じます。私たちは体験したこと(エピソード)を記憶の棚にしまい、必要な時に取り出すことができます。エピソードを記憶の棚にしまうことを「記銘」、棚にしまっておくことを「保持」、その情報を取り出すことを「想起」と言います。私たちの中でも起こる「度忘れ」は想起の部分となり、それが頻発すると想起障害の可能性があります。認知症の方は「記銘」することができない。ということを改めて認識します。どこで障害が起きているかきちんと認識することは精神的サポートを含めてケアをする中でとても大切なことです。
最後に、体験の全てを忘れる(例えばご飯を食べたこと)、忘れたことの自覚がない(またご飯を欲しがる)などの症状がが起きた時のBPSD(行動・心理症状)を理解します。BPSDは行動の背景の理解が難しく、従来は「問題行動」と呼ばれていましたが、その原因除去する・軽減を図る方法として、「落ち着く環境を作る」「心理的に安心させる」「ご入居者が安心できるコミュニケーションを取る」など安心した気持ちで過ごせるような働きかけの大切さを再認識します。認知症の方の心理的特徴をグループワークで考え、発表してもらい、今日のラウンド研修は終了です。
「認知症に対するケアについて考え直す機会をもらえた」「どんな事も自分の中で完結せず、同僚や先輩を頼って視野を広げる努力をします。」(スタッフより)