2018年02月03日
【AH文京白山】1月のラウンド研修のテーマは「緊急時の対応-非常災害」「医療的ケア」「虐待防止」です。
2018年1月23日 介護付きホーム(介護付き有料老人ホーム)アズハイム文京白山にてケアアドバイザーによるラウンド研修が行われました。今回参加は9名。3月にはlevel1のテストが行われます。全9回行われたlevel1のラウンド研修はこちらで最後となります。今回は震災・風水害・防犯-事例検討、シニアサービス理念、アズハイムのサービスコンセプト、医療的ケアと医行為、高齢者虐待防止法の確認、高齢者虐待の現状と背景、最後にストレスマネジメントを学びます。
緊急連絡網の確認、自分で止めないこと
震災・台風の災害発生のメカニズムを知識として習得することにより、災害の特性に応じた対策をすることが可能となります。例えば、ホームのどこに非常食が置いてあるのか。緊急連絡網は最新化になっているか。誰からきて誰に回すかの確認と、実際に緊急連絡網で回ってきた場合など、次の人に連絡が取れない場合はその次、その次と連絡をし、それでも連絡がつかない場合はホーム長に自分で連絡が止まっている旨を伝える=自分で止めないということを再認識しました。
高齢者虐待防止に関して学びます
まず、高齢者虐待防止法で定められている目的・定義を確認します。この法のポイントは「高齢者の尊厳を保持」し、有する能力に応じて自立した生活環境を整えるために2006年に施行されたということです。高齢者虐待と思われる行為の特徴、受けた利用者の特徴、行為を行った職員の特徴を確認します。特に職員に関しては年齢・性別・職種など大きな特徴は考えにくいこと、個人的な特性というより、組織的な問題に関わる職務上の背景要因が考えられるということを学びます。
「不適切なケア」とは何かを考え、なくしていく
「不適切なケア」…高齢者を子ども扱いする、個人的なことを人前で話す(不適切なケアとは一般的に自分がしてもらいたくないことであり、高齢者の尊厳を侵害する言動です。)不適切なケアの存在が放置されることで虐待に繋がることがある=不適切なケアが虐待の底辺と考えられています。
高齢者虐待が起こる背景には様々な要因があると考えられています。「教育・知識・介護技術などに関する問題」や「職員のストレスや感情のコントロールの問題」が指摘されています。一生懸命接しても意思疎通が取れないなどでつい苛立ちを感じ、カッとなってしまうことがあっても決して虐待は許されません。自分自身のストレスの対処や感情のコントロールは介護技術と同等に求められています。そこでストレスマネジメントを学びます。
ストレスが起きると人間はストレスを解消するために、様々な対処(コーピング)を行います。コーピングが成功すればストレスを解消することができます。そこで自分がどんなコーピングを行っているかを考え、その後、グループに分かれどんなことを実践しているかディスカッションをします。「たくさん寝る」「好きな歌を聞く」「美味しいご飯を食べる」「仲の良い友人と話す」他の方のコーピングを聞くことにより、対処法の引き出しを増やします。
研修を終えて(感想)
【参加したスタッフ】
介護職において職員のストレスコーピングは、高齢者虐待を防止する為にも必要不可欠であると改めて実感することができました。不適切なケア(自分がしてもらいたくないこと)を振り返り、自分自身で気付けることは1つでも減らしていきたいと思う。
【研修担当のケアアドバイザー】
今回の研修では、高齢者虐待についての現状やその背景について理解して頂きました。不適切なケアとはどんなことか、自分自身は適切なケアが行えているかを振り返りました。虐待の防止には介護者のストレスを客観的に捉える事で自己覚知し、対処(コーピング)していくことが重要です。グループワークでは、自身が行っているコーピング方法を共有し合い、新たなストレスに対する対処法を得ることができました。一人で抱え込まずに、チームでフォローし合える環境づくりが、お客様にとってもスタッフにとっても大切なのだと共通の認識を持つことができた研修でした。