2018年08月09日
【4年目フォローアップ研修】ご入居者の睡眠と薬剤に関して、事例を交えて学びました。
2018年7月26日、入社4年目となる若手中堅スタッフが本社に集まり、フォローアップ研修を受けました。介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)アズハイムでは、入社5年目までフォローアップ研修を行っており、若手中堅スタッフを支えています。各ホームを支えている同期が一堂に会する機会でもあり、「久しぶり!仕事はどう?」などの会話が聞こえるアットホームな雰囲気で、改めて学びます。
今回は、ご入居者の睡眠に関してと、薬剤に関する知識を学びます。
事例では、89歳男性を例に話し合いを進めました。
この方は一人暮らしをされていましたが、認知症の症状に加え、もともと患っていたひざ関節症が悪化し歩行困難となってしまいました。そして、介護認定で要介護2となり、アズハイムに入居されました。
このご入居者が就寝時間になっても長く起きていることが多く、起床時間に起きられずに日中もウトウトされているご様子でした。
これに関して、①ご入居者の望む生活をサポートすることが私たちの役目。このご入居者がしたいと思う生活をサポートしていけばいい②集団生活の場でもあるので、規則正しい生活をしていただいた方がいい③医師や看護師に相談し、睡眠薬を処方してもらい夜にしっかりと眠れる方がいい
と言う3つの意見があり、結果、睡眠薬が処方されることになりました。
この事例に関して、自分の意見はどの意見に近いのか話し合いました。
夜眠れなくなる原因は様々です。例えば、体調面(体のかゆみ・頻尿など)、日中の過ごし方(興味をもてる活動がない・日中に日光を浴びていないなど)、不安感、薬の副作用など。
では、高齢者の服薬に伴うリスクについて考えてみましょう。
高齢者の5人に2人が5種類以上の薬を使っていると言われています。
そして、高齢期の生理的変化が、薬の吸収、代謝、分布、排泄過程に作用し、薬効の増減や副作用に影響をもたらします。例えば、血液中のタンパク質量の低下により服薬作用は増強し、薬剤感受性の低下により服薬作用は減少します。
副作用が疑われる主な症状には、体のかゆみ、多汗、震え、むくみなどがあり、意識障害を起こすこともあります。
参加したスタッフの声・研修担当者の声
【参加したスタッフの声】
・入社4年目としての役割や意識を持つことができた。
・睡眠障害は個人によって原因が異なり、それを見つけることが睡眠障害改善への道となるということがわかった。
・ご入居者にとって豊かな生活ができているか日常的にしっかりと観察し、場合によってはミーティングを行ったり、チームや他職種との連携が重要だと感じた。
【研修担当者の声】
アズハイムには、看護師という医療職が配置されていますが、介護職が医療系の事を何も知らなくて良い、ということではありません。
ご入居者の中には、自分の体調不良を自覚できない方や、自覚できても上手く表現できない方もいらっしゃいます。日常生活で気を付けるべき事柄の認識ができない方もいらっしゃいます。
生活をサポートする介護職が、人間の身体の仕組みや高齢者の生活に密接にかかわる薬剤のことを知っていると、ご入居者のちょっとした変化に対して「あれ?」「こんな病気があるからもしかしたらこれはその症状かも」「こんな薬を飲んでいるからもしかしたら副作用かも」等々、早めに気づくことができます。また、病気の特性を理解したさり気ない配慮もできます。それは、ケアを提供する側・利用する側、双方にとって大きな安心につながります。
そこで4年目研修では、『睡眠』と『薬剤』を2大テーマに、ご入居者の生活を支えていく上で必要な知識を習得し、生活の質の向上のためにどのようにその知識を活用するのかを、講義・グループワーク(事例検討)を通して学びました。事例検討に際して、各自が自分のケアの傾向・考え方の傾向を振り返りましたが、「規則正しい生活」「集団生活」という視点を重視しているメンバーが多かったように思います。それらも大切な視点ですが、偏ってしまうと今度は「自由」や「個別性」が軽んじられてしまうリスクがあります。どこでバランスを取るのが良いのだろう?と、現場でも常に思い悩むところですが、悩んだ時に「医療的視点」も持っていると、ご入居者お一人おひとりに最適なバランスのポイントを見出す助けになります。現場で3年間の経験を積む中で何となく身につけてきた知識、気にも留めていなかった経験を、改めて整理し重要性を認識する時間になったと思います。
今日の参加メンバーは、勤務4年目を迎えた若手の中核メンバーです。一人ひとりが正しい知識を身につけ、整理し、現場に活かせるスタッフになってほしいと、研修担当者として改めて気合いを入れ直す時間になりました。