2018年08月20日
【AH光が丘】8月のラウンド研修は、介護予防・事故予防・感染予防など、「起こる前に食い止める術」を学びました。
2018年8月8日、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)アズハイム光が丘では、ラウンド研修が行われました。今回学んだのは、介護予防・事故予防・感染予防などです。アズハイム中浦和からスタッフが1名、今回の研修に参加し、ホーム間の情報交換の場ともなりました。
スタッフが介護予防の視点を持つことで、高齢者一人一人の生きがいや自己実現のための取り組みを支援し、QOL(生活の質)向上を目指します。
介護予防とは・・・
高齢者が要介護状態になるのをできる限り防ぐこと
要介護状態になってもそれ以上悪化しないように維持・改善を図ること
平成25年の国民生活基礎調査によると、65歳以上で介護を必要とする状態に至る原因は脳血管疾患、高齢による衰弱や骨折・転倒が原因となる場合が多くなっています。したがって、介護予防では脳血管疾患などの要因となる生活習慣病の予防と、高齢による衰弱や骨折の要因となる廃用症候群や転倒・転落事故予防が重要になります。
廃用症候群とは、病気や怪我での安静による日常生活の不活発さから生じる身体的・精神的機能の低下のことです。
例えば・・・「筋肉の痩せ衰え」「関節の動きが悪くなる」「骨が脆くなる」などの様々な症状が、ベッドでの長期安静時に起こり得ます。他にも、実に様々な症状が起こり得ます。病気=安静ではありますが、これが長く続けば続くほど、廃用症候群を引き起こしてしまいます。また、廃用症候群は一度起こると、重度化すると言う悪循環に陥ります。
この廃用症候群予防のためにも、ご入居者の「できること」を発見して引き出し、ご入居者の主体的な活動や参加を高めることを目指したケアを提供することが大切です。そうすれば、ご入居者も日常生活をより活動的に過ごすことができるでしょう。
「より質の高いサービスを提供することによって多くの事故を未然に回避できる」と言う考え方で取り組むことが大切です。
福祉サービスの全過程に発生する全ての人身事故のうち、身体的被害や精神的被害が生じたものを介護事故と言います。それらの事故の原因を分析し再発を防止することは、ご入居者・ご利用者のQOLの維持・向上に直結します。福祉サービスの安全管理は、サービスの内容や、サービス利用者の特徴などを踏まえた視点がとても重要なものとなります。
食中毒対策は、通年を通しての感染予防を心がけることが大切です。
食中毒には、「微生物」「自然毒」「化学物質」によるものなどがあります。いずれの食中毒菌であったとしても、予防のためには原因微生物の死滅や繁殖防止のための対策をしっかりと行うことが重要です。
食中毒の発生状況は、寒い季節には少なく、4〜5月と暖かくなるにつれて増加し、7〜9月にかけての夏場に最盛期を迎えます。ただし、冬場においてもノロウイルス等のウイルス性の食中毒が急激に増加していることから、通年を通しての感染予防対策を心がけることが大切です。
介護の仕事は、介助を行う際に「何か変わったことはないか」を注意深く観察することが重要です。
この様子観察は、ご入居者の変化がある場合に医師や看護師に報告し、体調の変化・悪化に早期に気づき対応するという大切な意味があります。日頃からご入居者の変化に敏感でいることが、緊急事態の適切な対応にも繋がります。事前に予測される状況を考えておくことや連絡体制を把握しておくことも大切なことです。
参加したスタッフの声
■廃用症候群の症状の方には、特に声かけに気をつけなければいけないと思いました。好みや楽しみは個人によって違うので、その方にとって楽しみになるような伝え方をしたいと思いました。
■ご入居者の意欲を消さないように、スタッフ全員でご入居者一人一人を大事にしなければいけないと思いました。
■事故の予防のためには、薬の作用などを考えた上で、未然防止策を常に考えていなければならないと思いました。
研修担当者の声
過剰介護を減らし、適切な関わり方や支援をするためには、ご入居者の自己実現したいことについて目的を持って情報収集をして、それがどんなことなのかを具体的に知る事が大切です。「ご入居者が意欲を持って生活ができること」「望ましい生活を実現していくこと」を意識する必要があります。
現在、既に要介護状態であっても、それ以上悪化しないように維持・改善を図る為に、起こり得るリスクを予測して未然に防ぎ、更に自己実現に向けた支援が行えると、結果的にご入居者の介護予防となり、QOL(生活の質)の維持・向上にも繋がります。常にリスクマネジメントの視点を持って質の高いサービスを提供し続けて頂きたいです。