2019年05月16日
【新卒入社スタッフ研修】口腔ケアに関する研修を行いました。
2019年4月16日〜17日にかけて、「口腔ケア」に関する研修を行いました。
この研修を受けるのは、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)アズハイムを運営するアズパートナーズに4月に入社した新卒スタッフの皆さんです。
「食事介助」に続き、生活になくてはならない「食」に関連した研修となります。
「口腔ケア」は大きく二つに分かれます。
【器質的なケア】
口腔清掃や義歯清掃を行い、口腔内の衛生の維持・向上を図る。
【機能的なケア】
機能訓練や治療により口腔機能の維持・向上を図る。
適切な口腔ケアは全身の健康状態を維持し、生活の質の向上や生きる意欲の向上にも大きく影響していくといえます。口腔内を健康な状態に保ち「豊かな暮らしを最後まで自分らしく自分の力で」の実現につなげていきます。
口腔内には数億ともいわれる細菌がいるといわれていますが、食事以外でも気が付かないうちに唾液や胃液が肺に入ってしまう事で生じる 『不顕性誤嚥』というものがあります。典型的な症状が出にくいのが特徴ですが、気が付いたら肺炎を引き起こしていたということも少なくありません。
万が一誤嚥した場合でも、口腔内の細菌が少なければこれらの肺炎を予防することができます。 また、インフルエンザに感染したことでも細菌性の肺炎を発症するリスクが高まります。このような肺炎に移行させないためにも予防が大切になります。
口の中はプライベートに関わる部分です。
口の中を他人に見られたり触られたりすることに苦痛やストレスが伴ったり、不安や恥ずかしさを感じてしまうことのある支援です。そのため、何よりも互いの信頼関係が重要なものとなります。 お互いが安心した気持ちでケアを行うためです。良い関係性を築き、思いやりのあるスムーズで効果的なケアを目指します。
ご入居者がご自分でできることはできる限り行なっていただきながら、口腔ケアを心地よいものだと感じていただけるような支援を目指します。
「器質的なケア」「機能的なケア」とは具体的にどんなものなのか。
歯ブラシやスポンジブラシを用いて、ブラッシング法を行います。残渣物や歯垢の除去、歯と歯肉をブラッシングし血流の促進・ マッサージ効果を高めます。嚥下障害により誤嚥の危険性がある、口に水が含めない、うがいができない方には、口腔ウエットティッシュを用います。その他に、うがい、舌苔のケア、義歯の清掃、粘膜ケアなども行います。
口腔機能とは(笑う、話す、食べる、表情を作る、呼吸する)の機能のことで、これらの機能を維持向上していくためには、口腔内の機能訓練、口腔疾患や障害の治療が重要になります。口腔体操、嚥下体操、舌体操、発声訓練、唾液腺のマッサージ、お話をする、声を出して歌を歌うこともリハビリになります。ご入居者に効果を伝えることで、ご入居者のやる気を引き出します。
研修参加者の声
■他人に口の中を見られるのは恥ずかしさと不快さを感じました。また、磨くことや確認することに集中してしまいますが、ご入居者役を行った際にずっと口を開けているのは苦痛でした。
■安全に行いながらも、羞恥心やご入居者の気持ちを汲めるように配慮していきたいと思いました。
■奥歯の磨き方や確認が難しいと思いました。
■むし歯予防だけでなく、全身疾患の予防にも繋がることは驚きでした。
■スポンジの水分の調整が難しかったです。
■誤嚥性肺炎の症状と風邪症状などを見過ごさずに観察できるようになりたいです。
研修担当者の声
単なる口腔内の清潔や虫歯予防、肺炎予防だけではなく、全身疾患の予防にも繋がってきます。健康寿命だけが延びていても口腔内が健康でないと食事や他者とのコミュニケーション、社会参加はできません。とても大事なケアの一つです。しかし、口腔内はプライベートにかかわってくる部分で、口の中を他者に見られたり触られたりするのは苦痛に感じたりもします。信頼関係なくしてはスムーズに行うことはできないということを学習していただきました。
実技ではトロミの水を使用して、摸擬の痰を作り、うがいをせずにハミングットできれいに除去をすることを実践していただきましたが、皆さん苦戦をしておりました。介助者役の方が完了と思っていても、ご入居者役の方は不快感があり、うがいをしたいとの声が多かったです。
技術を習得するには時間と回数をこなす必要性もありますが、ご入居者が感じるであろう羞恥心や時間が要してもできることは自分で行いたい等の気持ちは感じて頂けたので、この気持ちを忘れずに、ご入居者お一人お一人に合わせた支援ができるようになってほしいです。